[あっ、あぶない!(by うめ)]

積み上げたブロックから飛び降りようとする子どもを見て、わたしは思わず手を出して支えようとしました。しかし、そんな様子を見ながらも、ままさんはニコニコと笑っています。
何がなんだかわからないでいるわたしの目の前で、子どもたちは次々と飛び降りていきました。着地に失敗してそのまま転んでしまっても、登る途中でブロックがくずれて飛び降りる前に落ちてしまっても、誰一人顔をしかめることもせず、また楽しそうにブロックの山に登って行きます。保育者の導きによってではなく、子どもたち自身の持つ「楽しもう」とする純粋な気持ちで...

今年度から新たな職員として就業するにあたり、三月までに何度か開園準備の手伝いに来ていました。そんな中で、たまたま取れた平日の休みに、研修を兼ねて保育の手伝いに入ったのです。ままさんが子どもたちにわたしを紹介してくれて、部屋に用意されたたくさんの遊具のひとつである大型のブロックで遊ぼうとした時に、前述の飛び降りが始まりました。
今まで勤めていた園では、とにかくケガをさせずに降園できるように、環境設定やかかわり方はもちろん、遊びそのものにもかなりの制約がありました。先のような運動遊びをする際には、くずれたりしないようにしっかりした専用の遊具を使い、課題ごとに保育士がついて子どもたちをサポートしていました。
しかし、さくらそう保育園の子どもたちは、自分たちの意思でブロックの山に登り、自分たちの判断でそのてっぺんから飛び降りるのです。このような環境で日々鍛えられているのか、また日常的に転ぶ中でおのずと身に付けているのか、子どもたちは転んでも顔や頭をぶつけることはほとんどなく、上手に身体を守っています。

子どもにケガをさせないために、大人たちが先回りしてすべての危険を排除してしまうと、その場ではケガをせずに過ごせても、その後、自分一人で転んだ時に身を守ることができず、より大きなケガをしてしまうのだと思います。子どもたちが日々遭遇する多少のケガは、もっと大切なものを守るための授業料だと思って、大きくおだやかな心で接することが必要なのでしょう。
ただし、このような方向性で保育を進めて行くためには、保護者のみなさんのご理解とご協力が絶対に必要になります。このため、ぱぱさんとままさんは登降園の際には子どもたちのことをていねいにお話しし、さらにおたよりやこのサイト等でも保育によせる思いを伝えています。わたしたち職員も、その思いに共感して、さくらそう保育園での保育に参加させてもらっているのです。

すべての子どもたちに幸せになってほしいと思うのは、保護者のみなさんもわれわれ保育者も同じだと思います。本当の意味での幸せと、そのために今必要なことについて、いっしょに考えて行きませんか?

さくらそう保育園 保育士
「うめ」こと梅原智(うめはらさとし)
ソフトブロックのサーキット

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